旅するブランドが辿り着いた空間

ジュエリーブランド「AURORA GRAN」のショップ兼アトリエとして、築30年を超える古い建物を全面的にリノベーションした。場所は、表参道の表通りから歩いてすぐのところだが、路地の奥というもこともあって、表通りの喧騒がウソのように静かな空間だ。

旅するブランドという世界観を様々なカタチで表現していく場として辿り着いたのは、建物中央に床から屋根までの筒状の何も無い空間を設け、それをいくつかの小さな空間が取り巻くというモノだ。小さな空間は、互い違いに配置されていて、程良い距離を保ちながら、ショップやアトリエ、撮影スペース、ギャラリーとして使われる。デザインの言語としては、プリミティブな世界とモダンな世界の両方が、それぞれの空間に応じて用いられた。実際に作ったモノは、建物空間そのものをはじめとして、作品を展示するための什器やアートオブジェまで、大小様々だ。こだわり悩み抜いて作ったモノもあれば、その場の勢いで作ったモノもある。

出来あがった空間には、そうした風景が映し出されたように自由な空気が流れている。

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