KICHIJOJI 2015 Grocery_Kichijoji_Tokyo

OVERVIEW
Use :
Grocery
Size :
120 ㎡
Type :
Renovation
POSITION
architect / director / designer / contractor / construction manager / artisan / supervisor

老舗米穀店の新たな挑戦

古くからの慣習と日々格闘しながら、新たな時代の米屋として創造する空間

Grocery_Kichijoji_Tokyo
Grocery_Kichijoji_Tokyo
Grocery_Kichijoji_Tokyo
Grocery_Kichijoji_Tokyo
Grocery_Kichijoji_Tokyo
Grocery_Kichijoji_Tokyo

築80年の木造町屋を全面的にリノベーション

吉祥寺にある老舗の米屋「金井米穀店」。この店舗である築80年を超える建物を、今回は大幅にリノベーションした。場所は、吉祥寺の中心街から歩いて5分程の場所で、中心に比べれば人通りは少ないものの、まだ街中の賑わいが感じられる。建物自体は、この辺りではもう数軒しか残っていない築80年の希少な木造町屋だ。計画では、建物自体が持つ本物の品格を保つ事を基本にしつつ、未来に向けた米屋のカタチを実現するため、大幅な改修も行いながら、仕上げ材や設備機器等については新たな要素を加えていった。また建物本体としての基本的な性能の維持については、伝統的な手法を用いて修繕した。

今、米屋として商売自体が、大きな転換期を向かえている。今までは、この仕事は、食糧の確保という社会の根幹を成す事業として、国の政策の中で保護され、ある意味では特別扱いを受けてきた。しかし世界の情勢が大きく変化する中で、この業界だけが影響を受けずにいられる筈もなく、既存の枠組みを前提とした仕事のやり方は、徐々に立ちいかなくなってきた。そんな中で、オーナーは未来の米屋のカタチを模索し、積極的に新しい事にチャレンジしている。米を売るという事をあくまでも中心に置きつつ、この店を米を中心とした食文化を様々なカタチで発信・提供していく場にしたいと考えた。また厳選された米の品揃えは勿論、生産農家との信頼をもとに、他にはない産直の加工品や雑穀類も充実させた。加えて、自分達でつくるオニギリといった加工品も販売する事にした。また米の種類やブレンド、精米のやり方などを相談した際に受けるオーナーのアドバイスには、プロの見識が詰まっている。一つ一つは、とてもスタンダードなやり方で斬新さは無いが、着実に重ねる事で、確実に結果を残している。

設計プランとしては、小売店と精米工場という二つの顔が、来た人に一目で分かるように配置を工夫した。またお客さんとのコミュニケーションも大切な要素と考え、そのきっかけが自然な形で生まれるように考えた。更に精米工場としての効率的な作業導線の確保も重要な課題だった。什器やディスプレイについては、友人のスタイリストのMAYUMI IZUMIさんに協力して頂いた。

専門店としての確かな見識と共に、オーナの温かい人柄が感じられる空間だ。

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