JAPAN HOUSE

JAPAN HOUSE

異文化交流の本質

“japan house”という場所が、ロンドン、サンパウロと、ここロサンゼルスにある。日本文化を世界に発信するための施設として、外務省がバックアップしている。

私もロスで仕事をしている関係で、このプロジェクトの関係者と色々な話をする機会がある。

そもそも異文化交流というのは、何だろう。また何故それが必要なのだろうか。

この疑問に対する答えは、簡単では無いが、それを見つけようとする姿勢こそが、このプロジェクトの根幹を支えるべきだと強く感じている。

先日、アメリカに住んでいる知人が、面白い事を教えてくれた。米国籍でパスポートを持っている人は、10%しかいない…つまり9割の人々は、国外へ行った事がないのだ。

アメリカ自体が移民の国なので、ここには世界中の文化や情報が集約しているから、わざわざ国外に行く必要がない、という意見もあるが、それは違う。

アメリカの中は、やはり圧倒的にアメリカで、ここから世界を見渡す事は出来ない。

その理由はシンプルで、基本的に興味が無いという事に尽きると思う。それだけ、この国は、資源、経済、軍事含め、圧倒的なパワーを誇ってきた。

そうした人々に日本文化の素晴らしさを伝える…という事は、お腹が空いていない人に、美味しい料理を勧めるのに近い。(笑)

まず必要な事は、大きな肚で、相手の懐に深く飛び込み、少しづつ “驚きと納得” を得ながら、そもそもの日本文化を成立させている前提条件である “人間の根源的な感覚” …これを共有して貰うところまで、辛抱強く続けることだろう。道のりは長く険しいが、可能性はある。

経済的な交流だけに、目を奪われてはいけない。それは、あくまで入口であって、そのずっと先に文化交流の本来の意義がある。それは日米両国の未来にとり、間違いなく必要な事で、考え続ける価値のあるものだ。

さかの

竣工: 2018
場所: LA USA

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